住吉の久寿餅がどのようにしてできるのか、その製造過程をご紹介します。

 

 
    久寿餅は、小麦粉をグルテンと澱粉にとりわけ、澱粉の方のみを使用します。グルテンはお麩に使用されています。
取り分けた、澱粉を13ヶ月以上精製し寝かせ、発酵させます。この匂いが又強烈で、都心近郊で発酵させていたらご近所さんから絶対に苦情がくることまちがいなしでしょう。匂いの表現は控えさせていただきます。ちなみに岐阜の原料を納品している業者に聞くと、「もうどうしようもないので我慢していただいております」とのこと。やはり昔からのご近所さんなので・・・・といわれてました。
当社でも原料倉庫がありますが皆さんお優しい御近所さまなので、「臭いですよ」といわれたことは一度もありません。本当に、感謝しております。


       原料を樽に移し替えています。
それでは、どのようにしてこの久寿餅が製品になっていくかといいますと・・・・
納品される澱粉は、粘土を堅くした様な状態で運ばれてきます。その澱粉を、水で溶かしながら篩いにかけ不純物を取り除きます。
水で溶かした澱粉と水の比重を計りながら、小さな樽(と言っても、80リットルです)に流し込みます。まだこれで製品に使用することは出来ません。澱粉の発酵がまだ強すぎるからです。


樽に移した原料は、時間が経つと樽の底に沈殿し始めます。沈殿が確認されると、澱粉をこぼさない様に上澄みだけををこぼします。(”あく”を抜いていると思ってください)
こぼし終わったら、水をめいっぱい樽に張ります。このとき澱粉ときれいな水を混ぜ撹拌します。
    
 


       このような、撹拌と沈殿を繰り返し数度行います。季節によって変えています。夏場など結構行います(回数は内緒です。)
結局、このような作業で、久寿餅の特徴である「すっぱい匂い」が徐々に消えていきます。が、製品によっては、根気強く匂いが残っている輩がおり、これを製品化すると「久寿餅がくさいです」とおしかりを承けてしまうわけです。なのですが、あまり水を換えすぎると今度は、澱粉の腰が無くなってしまうのです。


こうしてやっと製造に移れます。製品段階の澱粉は、乳白色をしており結構きれいですよ。
この澱粉にお湯を混ぜます。約70度位から、澱粉が糊状になってきます。
(糊化)
   
 


       この澱粉を布巾を引いた蒸籠に流し込みます。
それを、蒸気の釜に入れ一気に蒸し上げます。
製品の上がり具合を見るのですが、この上がりを見極めるのが久寿餅を作るときの職人の腕の見せ所になります。
製品になるかならないかの見極めは、30秒から1分で見極めをします。ほんの数秒蒸しすぎても柔らかくなってしまいますし、早すぎても、堅くなってしまいます。


プレート状のお餅を、”竹のさな”と私たちで呼んでいる冷却器に移し、自然冷却します。季節によって違うのですがだいたい40分〜50分でしょうか、さめたら出来上がり。私は、この段階で食べるのが一番おいしいと思いますね。(当たり前ですね)
   
 


包丁で切り分け、ラップをして折りに詰め、
包装をして出来上がり!です。  
 


    お気付きかと思いますが、当店の久寿餅は添加物を一切加えておりません。添加物を入れれば日持ちがするように出来ますが、こればっかりは当店のポリシーに反するので出来ないんです。添加物を加えた餅は、「久寿餅ではない!」と断言させていただきます。

久寿餅の性質として、水を大量に使います。水分含有量が多いため黴(かび)が出やすい性質をもっています。一度蒸し上げる為、黴の菌は滅菌されるのですが、大気中の落下菌というものが付着し黴を生やします。又、澱粉質の為、時間が経過すると(ご飯と同様澱粉の老化、つまり堅くなりやすいのです。このようなことから、久寿餅は決して作り置きが出来ない商品なのです。
 大変手間のかかる商品ですが、一番大事なことなのでこれからもしっかりと受け継いで、守っていきたいと思っております。